不動産用語集
飲食店の開店・開業をするときに知っておきたい、用語説明集
坪単価
坪単価とは、土地の価格や建築費用を1坪(※)あたりに換算した金額のこと。(※)日本の伝統的な単位で1坪=畳2枚分の広さ(約3.3㎡)です。
住居の場合、坪単価の出し方は、本体価格÷延床面積(坪単位)です。
本体価格3000万円で、延床面積が50坪の家なら、「3000万円÷50坪=坪単価60万円」という計算で坪単価を知ることができます。
土地の価格や建物の価格について、他と比較する時の目安となります。
ただし、住居の場合は坪単価について明確なルールがなく、ハウスメーカーによって坪単価の出し方が異なります。
例えば「家の本体価格」を「延床面積(建物の床面積の合計)」で割って計算するメーカーもあれば、「施工面積」で割って計算するメーカーもあります。
この場合、施工面積で計算する方が坪単価は安くなるため、比較する場合は何を基準にしているか把握しておく必要があるでしょう。
飲食店の居抜き物件における坪単価
居抜き物件とは、前の賃借者が使っていた、内装、什器、設備をそのままに丸ごと借り受けるものを言います。
一般的に飲食店の居抜き物件における「坪単価」とは、家賃を坪数で割ったものを指します。
坪単価が周辺の相場より安いか高いかでも内装の売却金額にも影響を及ぼします。
スケルトン物件における坪単価
建物のコンクリートの躯体がむき出しの状態で借り受け、内装・外装・什器・設備などをすべて1から賃借人が工事、購入するのが、スケルトン物件です。
スケルトン物件における坪単価は、飲食店の居抜き物件同様「1坪あたりの賃料」のことを指します。
ただし、実際にはこの賃借料に、内装工事が坪単価30万円程度、電気工事が坪単価8万円程度、そして空調工事が坪単価8万円程度かかります。
スケルトン物件を借り受ける際には、賃借料の坪単価に、これらの工事費などの坪単価を加えて判断する必要があります。
居抜き物件とスケルトン物件の坪単価の考え方
居抜き物件であれば、そこに示された「坪単価」が「すぐにでも営業を始められる状態」で借り受けた時の費用ですので、原則としてはそこに加える費用はありません。
ただし、内装を変更するなどした場合には内装工事費が加えられます。
一方、スケルトン物件の場合は内装工事・設備工事・什器と、設備購入には大きな費用がかかります。
スケルトンで借りるよりも居抜きで借りるほうが、トータルコストは安くなります。
賃料としての坪単価「坪単価」が単純に賃料を指す場合もあります。
それは、トータルの賃借料を総坪数で割った金額です。
坪単価=賃料という場合、下記のような判断材料・交渉材料として活用することができます。
出店する際に、相場より安いか高いかの判断になる
同じスケルトン物件同士で、賃料の比較検討を行う場合は、この「坪単価」を用いることになります。
あるいは、複数の候補がない場合でも、賃借を考えているエリアの坪単価の相場は、不動産サイトなどを見れば載っていますので、その物件が相場よりも安いのか高いのかが判断できます。
高い場合は交渉材料とすることができる
賃借を考えている物件の坪単価が、相場の坪単価よりも高い場合は、その相場をオーナーや不動産会社に示して、賃料交渉をすることが可能です。
店舗内装の坪単価
上でも少し触れましたが、内装工事費の総費用を延床面積で割った金額も「坪単価」と称されます。
その坪単価は、開業しようとしている飲食店の業種や業態によってかなり変わってきます。
業態によって内装工事費用は異なる(業態別の内装工事費用相場)
・カフェの場合
まずカフェなどの軽飲食の場合の、内装費の坪単価の相場です。
カフェは厨房機器などには費用はあまりかかりませんので、他の業態に比べて比較的安くなるケースが多いです。
しかし一方でカフェほど、内装に経営者の思い入れを反映できる飲食店もありませんので、そこに凝ってしまえば内装費用はどんどん膨らみます。
それらを考えるとカフェの内装工事の坪単価は以下のようになります。
一般的なカフェ:20〜40万円/坪
内装に凝ったカフェ:40〜60万円/坪
・ラーメン店の場合
ラーメン店の場合は、内装のうち什器などにはあまり費用はかかりません。
また厨房機器も最低、麺とスープを茹でる設備と、食器洗浄の設備があればよいだけですから、費用は低額で済みます。
ただしその分、熱がこもりますので、空調設備には費用がかかるでしょう。
しかし、ラーメンのほかにサイドメニューでギョウザやチャーハンなどを提供する場合は、ストーブとその排煙設備、および廃油処理のグリース・トラップが必須になりますから、一気に坪単価は上がります。
それらを勘案すると、ラーメン店の内装費用の坪単価は以下のようになります。
ラーメンだけの提供:30万円/坪
サイドメニュー提供の場合:50万円~/坪
・パン屋の場合
パン屋の内装工事費は、イートインスペースを設けるかどうかによって変わります。
そして他の飲食店と比べて最も違う点は、厨房設備に多大な費用がかかることです。
具体的に必要な厨房機器は、専用のオーブン、業務用の冷蔵庫、パンをこねるミキサー、発酵させるためのホイロ、揚げ物のためのフライヤーなどです。
これらを勘案すると、パン屋の内装費は以下のようになります。
内外装費用 25万~35万/坪
厨房機器費用 50万~100万/坪
合計 75万~135万/坪
原状回復費用における坪単価の目安と注意点
さらにもう1つの「坪単価」の概念には、店舗を閉店し退去する場合の、原状回復費用の坪単価があります。
そもそも一般的な賃貸借契約では、退去時に「原状回復」してオーナーに返すことが盛り込まれています。
原状回復とは、原則として入居時の状態に戻すことです。
契約時にスケルトンの状態だったすれば、その状態にする必要があります。
この場合の「坪単価」もやはり、業種・業態などによって変わってきます。
まず一般的にな原状回復の坪単価は以下のようなものです。
解体工事費用:9000~15000円/坪
廃棄処分費用:10000~15000円/坪
合計 2万~3万円/坪
この金額はカフェで内装にあまり凝っていない飲食店であれば、2~3割安くなります。
逆に重飲食になると、坪単価は7万~10万円にまで上がります。
さらにその中でも、客席に排煙ダクトを引いていた焼肉店などの場合は、総額で150万円から200万円必要です。
小規模店だったとしても坪単価は、7万~10万円プラスになり、最終的には15万~20万円必要になります。
また物件の形態によっても原状回復費用が上がる場合があります。
それは以下のような要素が物件に入っている時です。
- 間仕切りや造作物が多い場合
- 無煙ロースターや排気ダクトが多い場合
- 個室や小上がりがある場合
- 建物が古くアスベストが発生する場合
- エレベーターがなく資材搬出の際に労力がかかる場合
- 資材の搬出経路が複雑な場合
- 搬出車用の駐車スペースがない場合
まとめ
いかがですか。
単純に使う「坪単価」という言葉も、使う対象や使う場面によって異なります。
ですから同じ「坪単価」という言葉で商談をしていても、そこがずれていた場合は思わぬトラブルになってしまいます。
この点をよく理解し、坪単価の意味する内容に注意して商談や、物件の検討を行いましょう。
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