居抜きの物件といっても居酒屋・ラーメン店・焼肉屋・カフェなど業態はさまざまです。居抜き物件の中でも人気の高い業態、希少性の高い業態があることはご存知でしょうか?物件立地の良し悪しで造作価格が決まる部分も大きいのですが、業態(内装設備・厨房機器)によっても金額は変わってきます。業態ごとのチェックポイントを把握して、より良い居抜き物件をお値打ちに獲得することを目指しましょう!!
- 業態人気度 ★★★★★
- 物件出没度 ★★★★☆
- 家主好感度 ★☆☆☆☆
【ラーメンの居抜き物件の特徴】
ラーメン店の居抜きはラーメン店の店舗数が全国各地に多いので、上手く居抜きを活用できれば、同じラーメン店を開業するのであれば、比較的コストをかけずに開業しやすいのと同時に、常に一定数以上の集客を維持することが、決して簡単ではない業種でもあるのです。
また、ラーメン屋でなくともうどん屋やそば屋の開業を考えている方であれば、必要な設備が似ているので、ラーメン屋の居抜き物件を活用し、そのままの状態で開業できる可能性もあります。
開業希望者が多いラーメン店は、全国各地に居抜き店舗物件があります。しかし、立地条件が良い店舗で、しかも居抜き店舗物件だったりすると購入希望者も多いため、時間をかけて悩んだり迷ったりしている間に物件があっという間に契約されてしまうということにもなりかねません。
競争率が激しいという点は、ラーメン店の居抜き物件のデメリットといえるでしょう。募集がかかるとすぐに大勢が申し込みをして契約されてしまうことが多いため、居抜き店舗物件に求める項目をあらかじめリストアップしておき、希望を満たす条件の店舗が売りに出された場合には即決するぐらいの決断力があったほうが、ラーメン店の居抜きを取得することに限っては良いのかもしれません。
ラーメン店では麺をゆでたり水をきったり、洗い物を頻繁に行ったりと大量の水を消費します。それだけ大量の水を消費するので、排水設備にダメージが起こりやすいため、物件取得の際にはダメージがないかどうかをしっかり確認するようにしましょう。
チェックポイントは、グリース・トラップが完備されているかや、排水口のサイズなどです。
排水関係は工事をするにも費用が掛かりやすい部分なので、物件選びの段階できちんとチェックしておきたいものです。
【開業にあたり見極めるポイント】
- 1. ダクト・電気、ガス容量・厨房の水回りがしっかりしているかどうか?
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設備容量不足や空調がしっかりしていないと近隣トラブルや追加費用が発生する可能性があります。
ラーメン店の場合、オープンキッチンが多く、店も小ぶりなものが多いため、厨房からの湯気や油煙もお客さまにダイレクトに伝わることになります。排気や換気には十分配慮しましょう。 - 2. 管理会社・賃貸オーナーさま・近隣とのトラブルが発生していないか?
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ラーメン店は匂いが強くトラブルが起きやすいので、新規開業にあたりそのまま居抜きを引き継いで営業できるか注意が必要です。
- 3. 設備、機器はそのまま使用できるか?
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ラーメン店は特殊な厨房機器(茹で麵器、ローレンジ、炊飯ジャー、製麺機、餃子焼き器等)が多いため、そのまま設備機器が使用できるかどうか確認することをお勧めします。特に製麺機は高額なものが多いため、気を付けるべきポイントです。
【 ラーメンの居抜きを活用した 開業事例 】
希望譲渡価格 3,000,000 円 → 実際の購入価格 3,000,000 円
東京都 板橋区 成増二丁目 成増駅 徒歩 6 分 約 30 坪 期間 2ヶ月
ラーメン居抜き → うどん開業
こちらの居抜き物件は1年前に居抜きで購入し、内装と厨房を新しくした店舗。厨房機器はまるごとそのまま利用でき、内装と看板だけの改装にすることで低投資にて開業に成功しました。
◆ラーメン物件をスケルトンから開業した際の想定コスト
飲食店の店舗を閉店する際に業態によっても違いがありますが通常1坪50万~100万の程度の工事費用がかかります。(厨房設備込)
厨房の水回りや特殊な厨房機器が必要になる重飲食の開業をする際には、費用が高額になりがちです。
近隣とのトラブル回避のために、ダクトを屋上まで上げたとき 平均的な工事費用を坪 750,000 円で計算すると 上記の物件の工事費用は 22,500,000 円となります。造作を 3,000,000 円で購入して内装・看板工事に 4,000,000 円がかかったとすると 合計 7,000,000 円で新規開業できたことになります。
【まとめ】
ラーメン店の居抜きは比較的人気が高いといえます。
しかし、その分、造作譲渡代金も高額な傾向がありますが、もし内装設備・空調・ダクトがそのまま利用できるのであれば、お得な場合も多いです。
とはいえ、居抜き物件は中古品ですので、「清掃やメンテナンスが行き届いているか」「まだまだ設備や機器は利用できるか」をチェックすることは非常に重要です。 購入の翌日に故障しても誰も修理をしてくれません。
最後に、ラーメン店は賃貸オーナーさまから断られやすい業態の1つでもあるので、現在までの営業で問題がなかったかどうかの確認も、忘れないようにしましょう。