飲食店のテイクアウト業態の物件の選び方と開業の注意点
最近では都内を中心に大人気となっているレストランのテイクアウトサービス。
従来ではテイクアウトというと、たこ焼きやお好み焼きなど粉系の料理が多かったのですが、最近ではテイクアウトサービスといってもお弁当やチキン、アイスクリームなど簡単に準備できるものから本格的なシェフの料理まで、いろいろなテイクアウトがあります。
脱サラなどでテイクアウト店の居抜き店舗物件を探す場合には、どのような部分に気をつけながら物件探しをすればよいのでしょうか？ 今回は、テイクアウト店の物件選びのポイントと、開業の注意点について解説します。
テイクアウト店は居抜き物件を選ぶべき？
まず、テイクアウト店といっても、何を調理するのかによって、厨房設備が異なります。
例えばたこ焼き専門のテイクアウト店を営業したい場合には、すでにたこ焼き店として営業していた店舗を居抜き物件として契約したほうが、初期投資にかかるコストを大幅に節約できるというメリットがあります。
テイクアウトという点で共通していても、何を提供するか、その業種が異なる場合には、開業前に大幅な工事が必要となりますし、設備投資費にかかるコストも大きくなってしまいます。
ロケーションが気に入って契約する場合などには、設備などが一切ないスケルトン物件ではなく設備がすでに整っている居抜き物件を選ぶことは、むしろデメリットになることもあるのです。
どこに出店するかがポイントに
テイクアウト店は、ロケーションが大切です。
できるだけ多くの人が足を運ぶ繁華街などの立地を選ぶのが成功の秘訣となります。
また、駅近なロケーションもおすすめですね。
テイクアウト店では基本的に店舗面積がとても狭く、店舗のレイアウトも居抜き物件の場合にはそのまま使うのが得策です。
そのため、レイアウトや必要な調理場のスペースなど、あらかじめどのような設備が必要で、スペースはどのぐらい必要になるのかを考えながら居抜き店舗を探すようにしましょう。
テイクアウト店は、オフィス街も人気があります。
オフィス街で仕事をするサラリーマンにとっては、時間をかけずにさっとランチを調達できるテイクアウト店は、リーズナブルにランチ代を節約したい人には大人気です。
そのため、オフィス街にテイクアウト店の居抜き物件が出ると、あっという間に契約されてしまうこともあります。
かなり安定した利用客が期待できる理想的なロケーションともいえるオフィス街は、テイクアウト店居抜き物件にとっては激戦区といっても過言ではありません。
こまめに物件をチェックして、条件に近い店舗物件を見つけたら即決するぐらいの決断力が必要です。
テイクアウト店開業の注意点
テイクアウト店を開業する場合、通常の飲食店とは異なる注意点もあります。
しっかり確認をして、準備を進めましょう。
許可について
テイクアウト店を開業する場合「飲食店営業許可証」「食品衛生責任者の資格」が必要です。
その他、パン・ケーキなどを販売する場合は「菓子製造業営業許可証」、コーヒー・紅茶などを販売する場合は「喫茶店営業許可証」が必要になります。
販売する商品によって必要な許可が異なるので、管轄となる保健所に確認しましょう。
ちなみに、すでに店内で飲食の提供を行っていた飲食店が、同じ商品をテイクアウト商品として販売する場合、新に許可を得る必要はありません。
なぜなら、開業時に取得が必要な「飲食店営業許可」にテイクアウト業務も含まれるからです。
しかし、店内で提供をしていなかった商品をテイクアウト商品として販売する場合は、別途営業許可が必要になる可能性があります。
判別が難しい場合は、保健所に問い合わせましょう。
販売するものに合った容器を用意する
テイクアウト店に欠かせないのが、商品を入れる容器です。
「商品が入ればどんな容器でもよい」というわけではなく、持ち運びやすさや、食事のしやすさ、保温性、環境への配慮なども大切です。
快適に食事ができる容器であることはもちろん大切ですが、ロゴなどのデザイン性にもこだわることで、人気が高まる可能性もあります。
容器だけでなく、割り箸・スプーン＆フォーク・ストロー・おしぼり・手持ち袋などの準備も忘れないようにしましょう。
衛生管理に気をつける
テイクアウトの商品は、作ってから購入した人が食べる（飲む）までに一定の時間が発生します。
提供してすぐに食べられないケースもあるので、衛生管理をしっかり行うことが大切です。
一度でも食中毒を起こしてしまうと、イメージが悪くなり、経営的にもダメージが大きくなりますので、確実に防ぐようにしましょう。
対策としては「腐りにくい食材を使用する」「保存料・保冷剤を利用する」などがありますが、保健所からも情報を得られます。
どのような対策が有効なのか、保健所が発信する情報もチェックしておきましょう。
まとめ
昨今、人気が高まっているテイクアウト店。
開業する場合は、居抜き物件を活用することで開業費用を大きく抑えることも可能になります。
とくに駅近やオフィス街の店舗は、テイクアウト店におすすめの立地ですので、空き物件の情報をチェックしておきましょう。
