簡単そうで実はかなりのマーケティング力が必要と言われているのが、飲食店業界の中でもうどん屋経営です。日本人なら誰もが大好きなうどんですが、うどんを専門に取り扱ううどん店の絶対数はそれほど多くはありません。そのため、居抜き店舗物件を探す場合にも、なかなか見つからないというデメリットがあります。また、うどん店を経営する場合には、うどんの麺を打つスペースが必要になりますし、調理のための厨房スペースも必要です。そうした設備をゼロから準備するとかなりのコストがかかってしまうので、脱サラなどでうどん店の経営を目指している人なら、なかなか見つからなくても、うどん店として営業していた居抜き店舗物件を見つけたほうがコスト面で大きなメリットがあります。
うどん業界には「商品3分売り7分」という言葉があります。これは、商品である美味しいメニューを考える時間にかける時間が3分なら、どんな風に打って集客するのかに費やす時間を7分にする、という事です。つまり、マーケティング力によってうどん店が成功するかどうかが決まるというわけです。マーケティングにはいろいろな要素がありますが、どんな客層をターゲットにするのか、どんな店内の雰囲気なのかもその一つ。例えば、サラリーマンをターゲットにするなら平日のランチタイムが大忙しになることが想定できますから、できるだけ回転率の良いメニューを提供できるシステムが必要となりますし、カウンター席や二人掛けのテーブルの方が効率的です。しかし、マイカーを利用して足を運ぶような幹線道路沿いのうどん店では、ファミリー向けの店内の方が高い集客が見込めます。その他にも、コードレスチャイムなどの設備が完備されている店舗なら、少ない従業員で運営する場合でも安心です。美味しいうどんを打てるスキルはもちろん大切ですが、どんな客層にどんな風に来てもらうのかを考えながら、居抜き店舗物件を見て回ることが必要です。
うどんの居抜き店舗物件には、他にもメリットがあります。それが、店の看板がそのまま使える可能性があるという点です。うどん屋にもそれぞれ店名がついていますが、道路から良く見える場所に建っている看板は「うどん」とシンプルに書かれているものも少なくありません。もちろん看板だけで居抜き店舗物件を決めるわけではありませんが、そうした細かい点も初期投資にかかる費用に大きく影響するので、店舗を視察する際には要チェックと言えます。
