居抜きの物件といっても居酒屋・ラーメン店・焼肉屋・カフェなど業態はさまざまです。居抜き物件の中でも人気の高い業態、希少性の高い業態があることはご存知でしょうか?物件立地の良し悪しで造作価格が決まる部分も大きいのですが、業態(内装設備・厨房機器)によっても金額は変わってきます。業態ごとのチェックポイントを把握して、より良い居抜き物件をお値打ちに獲得することを目指しましょう!!
- 業態人気度 ★★★☆☆
- 物件出没度 ★★★☆☆
- 家主好感度 ★☆☆☆☆
【焼肉店の居抜き物件の特徴】
飲食店の中でも設備費用が大きくかかるのが焼肉店です。各テーブルに排気設備が必要だったり、炭火焼きであれば炭おこし場が必要だったり、居酒屋やイタリアンなどと一線を画すものになります。
また、ほとんどの焼肉店は各テーブルに排気設備がついております。例えば煙を吸い込んでくれる無煙ロースターテーブルなどが一般的です。しかし無煙ロースターテーブルは通常のテーブルよりスペースをとりますし、基本的に排煙設備とつなげるため固定されておりますので、撤去するにしても比較的コストがかかります。
他にも、テーブルの上から1卓ずつに排気設備が設置してある場合もありますが、こちらも同様に撤去費用がかかりますので他の業態にするにはどちらかといえば向かないかもしれません。
しかし焼肉店が入っている物件=重飲食ができる物件の可能性が非常に高いので、重飲食で開業をお考えの方であれば、設備状態や業態によっては十分に検討できる可能性があります。
【開業にあたり見極めるポイント】
- 1. 設備や機器がどこまで使えるか?
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冷蔵庫・冷凍庫などの不具合がないかはもちろんですが、客席で肉を焼くため、エアコンが詰まって故障するケースもあります。動作確認などのチェックが必要です。
- 2. 厨房防水やグリース・トラップがしっかり完備されているか?
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焼肉店に関わらず、重飲食には必須な設備となります。グリース・トラップの詰まりなどが無いかなどもしっかり確認しましょう。
【 焼肉店の居抜きを活用した 開業事例 】
希望譲渡価格 2,500,000 円 → 実際の購入価格 2,000,000 円
東京都 豊島区 池袋 池袋駅 徒歩 10 分 約 35 坪 期間 1ヶ月
焼肉店居抜き → ホルモン焼き開業
こちらの居抜き物件は5年間営業しておりましたが設備がしっかりしており、業態が近かったこともあり、機器もそのまま利用できました。そのため内装と看板だけの改装にすることで低投資にて開業に成功しました。
◆焼肉店物件をスケルトンから開業した際の想定コスト
飲食店の店舗を閉店する際に業態によっても違いがありますが通常1坪50万~100万の程度の工事費用がかかります。(厨房設備込)
焼肉店は他の業態に比べて、厨房の水回りや排気がとにかく重要となります。
近隣とのトラブル回避のために、ダクトを屋上まで上げたとき、平均的な工事費用を坪 750,000 円で計算すると 上記の物件の工事費用は26,250,000 円となります。
造作を 2,000,000 円で購入して内装・看板工事に 4,000,000 円がかかったとすると 合計 6,000,000 円で新規開業できたことになります。
【まとめ】
焼肉店は無煙ロースターや炭起こしなど特殊な設備がやや多くなります。しかし焼肉店ができる物件はどんな重飲食にも対応できる可能性が高いといったメリットがあります。また、新規参入しやすい業態でもありますので、買取り希望者が焼肉店の出店を検討している場合は、高額で売却できる可能性があります。
意外と見落としやすいのですが、各テーブルで油を多く使う焼肉店においては、排水設備にも特定のメンテナンスが必要となりますし、空調設備にも油が付着しやすくなります。さらに、ダクトも清掃業者に依頼し定期的に行わなければなりません。たまに焼肉店で小火が起きるのは大抵がダクト火災になります。メンテナンスと清掃は怠らないようにしましょう。