飲食店をオープンするためには、様々な準備が必要です。中でも飲食店に欠かせないのが調理器具。 いろいろなアイテムがありますが、厨房のスペース、予算などを考えて揃えていかないと、後になって後悔する可能性もあります。
今回は、調理器具のひとつ「コンベクションオーブン」について解説します。
特徴やメリットを踏まえて、設置・利用の検討をしてください。
コンベクションオーブンとは?
コンベクションオーブンは、「焼く」機能に加え、「熱風で熱する」機能を持ったオーブンです。
コンベクション(convection)は対流という意味ですが、コンベクションオーブンは庫内にファンがあり、内部で対流を起こす(熱が循環する)ことに由来しています。熱風が庫内で循環するので、効率よくムラなく温度を上げられるのがメリットです。
食材にじっくり火を通すことが得意で、肉の場合は中がジューシー&外はパリっとした仕上がりになります。その他、パンを焼いたり、ノンフライの揚げ物を作ったり、様々な調理に役立ちます。
デメリットとしては、ファンが付いているため通常のオーブンに比べると庫内が狭いという点があります。
スチームコンベクションオーブンとは?
最近人気となっているのが、スチーム機能を搭載したスチームコンベクションオーブン(スチコン)です。
このオーブンでは、「焼く」、「煮る」、「蒸す」といった多彩な調理方法を行うことができ、「蒸す」という機能を上手に使うと、電子レンジのように食材を温めることもできます。
コンロで行う調理のほとんどが、スチームコンベクションオーブンで可能になるので、作業効率もアップしますよ。まずは次の4つの機能を押さえておきましょう。
機能1:ホットエアー
「ホットエアー」は、庫内のヒーターやバーナーによる熱で庫内の温度を上昇させ、食品の大きさに関係なく素早く熱を加えることができる機能です。
コンベクションオーブンでは、庫内にファンが付いているため、庫内で対流を起こすことでより効率的に熱をムラなく伝えることができるようになっています。一般的な100℃から300℃という高温まで設定することができます。
機能2:スチーム
「スチーム」は、蒸し器と同じように、庫内にスチームを行き渡らせる機能です。無圧蒸気を放出することになりますので、庫内の温度は100℃程度に保たれます。
機能3:バイオ
「バイオ」は、スチーム機能と似た機能ですが、こちらのモードでは庫内の温度を50℃~100℃で調節しながらスチームを行き渡らせることができます。
機能4:コンビ
「コンビ」は、これはホットエアーとスチーム・バイオを組み合わせた機能で、ヒーターによる温度調節と蒸気を組み合わせて調理を行う機能です。
庫内の温度は最大300℃程度まで上昇しますので、オーブンでありながら食材を煮るのと同じ調理を行うことができます。食材を焼くといった調理の際でも、適度な湿度を保ちながら行うことになりますので、食材をふっくらとみずみずしく焼き上げることができます。
コンベクションオーブンが苦手なこと
最新のコンベクションオーブンでは、庫内で発生させる蒸気の量を設定することができるなど、高い調整機能が搭載されています。ただし、高機能なコンベクションオーブンでも、不得意な工程があります。
それは食品にこんがりとした焼き色を付ける機能です。こういった焼き色を付ける機能としては、サラマンダーが専用の設備として広く使われています。
コンベクションオーブンは本来、サラマンダーと組み合わせて使われてきたという歴史があります。サラマンダーのない場合は、ガスバーナーなどを利用することで、見た目にも美味しそうな焼き色を付けることができるでしょう。
まとめ
コンベクションオーブンは、オーブン機能に加え、ファンで熱風を循環させてムラなく火を通す機能も持っています。スチームコンベクションオーブンの場合は、さらに調理の幅が広がり、作業効率も各段にアップします。
コンベクションオーブンは、一般のオーブンに比べて多機能であること、応用性が高いことで人気の設備ですので、飲食店に設置して損はありません。
居抜き店舗物件の検討者の中でも、コンベクションオーブンが付随しているかいないかで、店舗の購入を決めるケースも少なくありません。 ぶけなびにもスチームコンベクションオーブンの付随した物件が紹介されていますので、ぜひご覧ください。