ドロワーコールドテーブルのある居抜き物件での開業ノウハウ教えます。
飲食店を開業するには、さまざまな準備が必要です。中でも厨房は、調理や食材の保管のために、いくつもの機器・アイテムを備えなくてはなりません。
今回は、厨房に欠かせないアイテムのひとつ「コールドテーブル」「ドロワーコールドテーブル」について解説します。設置のポイントや注意点についても紹介するので、参考にしてください。
コールドテーブルとは?
コールドテーブルとは、冷蔵・冷凍機能の付いた作業テーブルのことです。どのお店も厨房のスペースには限りがあり、作業スペースを考えると、大型の冷蔵庫を置けない物件もあります。
そんな場合は、作業台と収納スペース(冷蔵庫・冷凍庫)が一体となっているコールドテーブルが最適なのです。調理の際に「冷凍庫・冷凍庫の場所まで食材を取りに行く」という作業が省けるので、業務の効率化も図れます。
コールドテーブルにはどんな種類がある?
「コールドテーブル」と言っても、さまざまなタイプがあります。
各特徴について見ていきましょう。
- 冷蔵・冷凍コールドテーブル
収納部分が冷蔵庫(もしくは冷凍庫)になっているコールドテーブル。
コールドテーブルのベーシックなタイプになります。
業種・提供する料理の内容によって、冷蔵・冷凍のどちらの機能が便利かを考えて選びましょう。
冷蔵も冷凍も可能なタイプもあります。
- ドロワーコールドテーブル
冷蔵・冷凍機能部分が小分けされ、引き出し式になったものをドロワーコールドテーブルと言います。
引き出しごとに食材を収納できるため、作業効率を上げられるのがメリット。
調理スペースに設置されていることが多いタイプです。
厨房のサイズに合わせて、幅800mmのタイプから1650mmのものまで、幅広いラインアップが用意されています。
- 恒温高湿コールドテーブル
収納部分が恒温高湿庫となっているコールドテーブルです。
恒温高湿の機能とは「設定した温度をほぼ一定に保つことができる」「高湿度・無風を保ち食材の乾燥を抑える」というもの。
食材の瑞々しさや風味を守ることができるので、食材の大量仕入れ&保管、作り置きも可能になります。
- その他のコールドテーブル
テーブル部分にシンクがついている「舟形シンク付型」、フライヤーなどを置くのに最適な高さの「低コールドテーブル」、ホテルパンを組み込んでいる「サンドウィッチテーブル」などもあります。
コールドテーブルとドロワーコールドテーブルの違いは?
一般的なコールドテーブルとドロワーコールドテーブルの違いは、やはり冷蔵・冷凍機能部分が両開きになっているか、引き出し式になっているかです。
両開きタイプは大きな食材の出し入れや、中に保存されているものが一目で確認できる、などのメリットがありますが、開閉のたびに冷気が逃げてしまうため、温度変化に繊細な食材の保存には細心の注意を払う必要があります。
その点、ドロワーコールドテーブルは引き出し式になっていますので、食材のタイプによって保存する場所を決めることで、食材の出し入れに伴う温度変化をできるだけ抑えられます。
食材の鮮度を大事にしたい場合や、食材の出し入れが頻繁に行われる場合などにはとても有効です。
また、両開きタイプでは、屈まないと全ての食材を見回すことが難しいですが、引き出しタイプであれば、上から確認することができますので、作業する人への負担も軽減することができます。
ドロワーコールドテーブル設置の注意点
ドロワーコールドテーブルがすでに設置されている居抜き物件を購入するのであれば、設備を導入する際の面倒な段取りを考える必要がありません。一般的に、ドロワーコールドテーブルを搬入する際には、以下のことを事前に確認しておく必要があります。
まず、設置するためのスペースは十分であるかどうか、冷蔵庫の扉や引き出しも完全に開くかどうかを確認してください。
次に、熱の発生する場所から離れているかなどを確認しなければいけません。外気温が高すぎる環境では、十分に冷蔵・冷凍機能が働かないからです。
それから、設置する場所までの搬入ルートについて、問題なく通ることができるかどうかを確認します。
厨房のサイズだけではなく、入口や階段、エレベータなどの導線の確認を怠らないことが必要になります。
ドロワーコールドテーブルが必要な場合は居抜き店舗が狙い目
一般的なドロワーコールドテーブルは数十万から百万円代とかなり高価な設備です。これに導入に際しての費用が上乗せになるのですから、初期費用をできるだけ抑えたい人は、居抜き店舗の検討を行うといいでしょう。
全ての設備を一から決めていくのは思った以上に気力を必要とする作業です。
すでにオペレーションの行われていた環境をそのまま引き継げる居抜き物件は、そういう人にとってはとても魅力的で良い物件だと思いますので、その視点でぶけなびを利用してみてはいかがでしょうか。