グリストラップとは?設置費用はどれくらいかかる?
グリストラップ(グリーストラップ)とは、キッチンなどから出る油脂(グリース)を含んだ排水を、そのまま下水として流すのではなく、一時的に溜めておく(トラップ)ための設備です。
もちろん、ただ留めておくのではなく、浄水設備などで見られるような、いくつかのステップを経ることで水質を浄化する機能があり、油脂を削減する効果があります。
グリストラップの構造と注意点
グリストラップは第1槽~第3槽で構成されています。
第1槽は厨房などからの排水が最初に通る場所で、バスケット型になっていて、生ごみを受け止めます。
そこから流れたものは第2槽へ進み、水と油脂に分離されます。
最後の第3槽では、さらに水と油脂を分離し、水は下水道へと流れていきます。
グリストラップは水と油脂を分離する設備ですが、油脂を分解する設備ではありませんので、時間が経つにつれて、油脂が蓄積されていきます。
グリストラップに生ごみや油脂が溜まると、悪臭の原因になるばかりでなく、排水管が詰まってしまったり、害虫が発生したりしてしまいます。
こういう事態を招かないよう、定期的に清掃をする必要があります。
グリストラップは法律で設置が義務付けられている
定期的な清掃が煩わしいと思われるような場合、「そもそもグリストラップを設置しなければならないのか?」という疑問を感じる人がいるかもしれません。
しかし、水質汚濁防止法(1971年)や下水道法(1976年)、建築基準法関係規定(1975年)といった法整備により、全ての営業用調理施設への設置が義務付けられるようになりました。
グリストラップの設置費用は?
何もない状態からグリストラップを設置する場合、床に穴を開けて埋め込むための工事や、躯体を補強するための作業、排水管の整備などが必要となりますので、一般的には100万円以上を見込む必要があります。
しかし、グリストラップの付いた居抜き物件を購入することで、設置に際しての初期費用を抑えることができます。
飲食店開業は居抜き物件も検討を
グリストラップが設置済みの居抜き店舗の購入によって、設置作業、費用が必要なくなりますので、飲食店の経営を考えている人であれば、グリストラップ付きの居抜き物件は魅力的ですし、ぶけなびではグリストラップ付きの物件をまとめて紹介しています。
東京都内の居抜き物件の現状では、5~15坪程度の店舗の場合、半数以上はグリストラップが設置されていないというデータもあります。
どのような規模で行うにせよ、法律で設置が義務化されていますので、グリストラップの有無を優先的に判断基準の一つにするのがいいかもしれません。
自治体によってはその審査で開業できるかどうかの許可が下りることもあります。
グリストラップのメンテナンス・清掃について
グリストラップのメンテナンスは、各店舗の経営者が自主的に行う場合や、専門業者に委託する場合などがあります。
規模の大きな店舗の場合は個人で行うことが難しいため、業者への委託になりますが、最近はコスト高が問題の一つになっています。
そこで、油脂成分を分解するバイオテクノロジーを応用した溶剤など、日々のメンテナンスを楽にするための商品も色々と開発されています。
専門業者に委託せずに、スタッフで清掃作業を行う場合は、専用の清掃用品を賢く活用したいですね。
予算やスタッフの負担も考慮し、最適な方法でメンテナンス・清掃を行うようにしましょう。