本来寿司屋として経営されていた居抜き物件に付随してくる設備の中には、ネタケースが含まれていることが多いでしょう。新鮮な食材を美しく、衛生的に保つために利用されるネタケースにも、その機能や用途によって様々な種類があります。
ぶけなびに掲載されている居抜き店舗物件を購入する際の手引きとして、以下にネタケースの特徴や種類についてご紹介しましょう。
ネタケースには、大きく分けて二つ種類があります。一つが冷蔵ネタケース、もう一つが恒温高湿ネタケースです。冷蔵ネタケースでは、ムラのない冷却能力を生かして食材のフレッシュさを保つための工夫が施されています。庫内の底面からしっかり冷却し、ケース上部にある冷却パイプで、上部からの冷却も行います。食材の上下からまんべんなく冷却することができるため、厚みのある食材でも新鮮さを長時間維持することができるようになります。
ケースの底面はスノコ状になっていますが、表裏の形状を変えることにより、より冷却する必要のある食材の場合など、用途に合わせて冷却機能を調整することができます。食材を美しく、はっきりと見せるためにケースの底面を前傾させたり、R形状のクリアガラスを採用するなど、食材の見せ方の工夫も行われています。
一方、恒温高湿ネタケースでは、ケース内を設定した温度に保ちながら、湿度にも配慮するなど、よりきめ細やかな機能が搭載されています。80%という高い湿度を保つために、断熱性に優れた二重ガラスを採用し、外気温が30℃の場合でも、ケース内の温度を7℃に保つことができる冷却機能を実現するなど、保冷・保湿能力に大変優れています。
これらコンプレッサーを搭載した電気式のネタケース以外にも、昔ながらの氷を利用した氷式ネタケースもあります。こちらは余分なスペースがなく、コンパクトに作ることができるため、省スペースに適したものとなっていますが、衛生面においては電気式のものには適いません。しかし、価格的にもお手頃であり、移動も簡単に行えるので、業態によっては便利に使うことができるでしょう。