業務用のオーブンは数十万円から100万円以上もするものまでさまざまありますが、まとまったコストを想定する必要があります。あらゆる業態において必要とされる厨房設備のひとつでもありますので、オーブンの付随した居抜き物件の貸店舗を探すことで、初期費用を抑えることができます。
一口にオーブンと言ってもさまざまな種類がありますので、オーブン付きの居抜き物件を探す前に自分の開業しようと考えている業態において実際にどのようなオーブンが必要となるのかを明確にしておくことが大切です。
最近注目をされているオーブンのひとつが、南蛮窯、あるいは南蛮バッケンと呼ばれているオーブンです。ピザを焼いたりする際に理想的とされている石窯の備えている機能をそのまま再現したオーブンで、炉内の構造や扉の構造などにさまざまな工夫が施されています。さらに、コンピューター制御で炉内の温度や湿度を適切にコントロールすることができる最新型のオーブンです。ピザを焼くのはもちろんですが、細かな設定の必要なお菓子を焼くこともできます。
食材が移動しながら熱を加えるトンネル型のオーブンもあります。バッケン・ロングスルーオーブンリムジンなどが代表的なモデルで、炉内をいくつかのブロックに分けてそれぞれ火力を別に設定して食材を調理することができます。高機能モデルにおいては、50ブロック程度に分けてコントロールをすることができますので、微妙な火加減の必要となる料理で特に大活躍します。
また、加熱をしながらスチームを加えることのできるスチームラックオーブンも人気です。食材に熱を通しながら加圧することで、よりふっくらと仕上げることが可能になるため、複雑な調理を行なうことができます。高機能モデルでは炉内の湿度を5%刻みで設定することができ、繊細な調理が可能になります。微細な水の粒子が食材に浸透することによって、熱の通りがよりスピーディーになるというメリットもあります。メンテナンスの面においても、調理後に炉内をまるごと水洗いすることができるタイプのものも用意されています。
このように、オーブンには実に数多くの種類やモデルがラインアップされており、業態やニーズに応じて適切な1台をチョイスすることが大切です。いくら高機能のモデルが導入されていても、実際のオペレーションでは使用しない機能であれば宝の持ち腐れとなってしまいます。後悔しないためにも、居抜き物件を探す前に具体的なアイディアを把握しておきましょう。