飲食店舗を運営するうえでなくてはならないもののひとつが冷凍庫です。さまざまなタイプのものがありますが、数十万円から百万円以上のものもあり、高額な設備です。そのため、居抜き物件などの貸店舗を探す際には、あらかじめ冷凍庫が設置されている物件を探すことで、イニシャルコストを効果的に削減することができるという大きなメリットがあります。
冷凍庫には大きく分けて縦型と横型のふたつの種類があります。縦型のものは高さのあるタイプで、1800mm程度の幅広のタイプであればより大容量のスペースを確保することができます。一方の横型タイプは高さが800mm程度のものが一般的で、高さがない分天板を利用して調理機器を設置したり、簡単な作業をすることができたりします。
横型のものは取り出し口が相対的に低い位置になりますので、ドロワータイプで引き出しやすいものが特に人気となっています。他にも、冷凍ストッカーと呼ばれる冷凍タイプの食材保管庫も何かと便利です。
冷凍ストッカーには、一般的な開き戸タイプのものと、天板部分が蓋タイプの扉になっていて上から出し入れすることができるものとがあります。天板から出し入れするタイプであれば、その周りに十分なスペースを確保することができなくても便利に利用することができるというメリットがあります。
また、お客様に商品や食品を見せながら冷凍するための、冷凍ショーケースもあります。平型やデュアル型、クローズド型などさまざまなタイプのショーケースがラインアップされており、設置する場所やシチュエーションによって適切なものを選ぶことができるようになっています。
特殊な冷凍庫としては、急速凍結庫もあります。これは食材や調理段階のものを一気に凍結させるための冷凍庫で、食材の鮮度を落とさずに調理をすることができるというメリットがあります。特別な機能が搭載されているということもあり、購入となると200万円前後を想定する必要がありますが、あらかじめ急速凍結庫が導入されている居抜き物件であればコストをかける必要がありません。
このように、一言で冷凍庫と言っても実にさまざまなタイプの設備があることが分かります。まずは自分がどのような業態で飲食店舗の営業を行ないたいのかを明確化し、具体的な厨房内での動きのシミュレーションを行なった上で、必要となる冷凍庫をきちんと把握して物件探しを行なうようにするとよいでしょう。