飲食店舗を開業する際に必ず用意しなければならないもののひとつは、食器・グラス類でしょう。それぞれ店舗の席数プラスアルファを必ず用意しておくことになりますので、まとめて手配するとなるとある程度の費用を想定しておく必要があります。
居抜き物件の貸店舗を利用する際のメリットは、食器やグラスなどのカトラリーも含めて引き継ぐことができるということにあります。店舗の開業までに必要な手続きにはさまざまなものがありますし、それに伴って少なからぬ費用がかかりますので、カトラリーや什器、厨房設備などを引き継ぐことで費用の削減を行なうことができるというのは経営者にとってはとても助かるのではないでしょうか。
居抜き物件を選択する際のポイントは、同じ業態でオペレーションが行なわれていた物件をチョイスすることでしょう。業態によって一般的に利用される食器が違うためで、和食と中華、洋食などによって使われる食器は大きく異なります。自分の営業する業態にとって必要のないカトラリーを大量に引き継いだとしても意味がありません。
また、実際に引き継ぐ食器やグラスを自分の目で確認することも大切です。これらのカトラリーはお客様が実際に利用して食事を行なうアイテムですので、ちょっとでも汚れがあったり、破損していたりすると、提供している料理に対してのイメージが大きく低下してしまいます。
特に、フォークやナイフなどの銀食器を引き継ぐ際には、適切にメンテナンスが行なわれているかをチェックしておきましょう。銀食器は定期的な手入れがどうしても必要になりますが、それを怠ると酸化して黒く錆びてしまい、使い物にならなくなります。高価なカトラリーでもありますので、適切に管理されたものを引き継ぐようにしたいところです。
また、和食店においては漆塗りの食器などを引き継ぐケースがありますが、漆がはげていたりしないかどうかも確認するようにしましょう。こういった高級感を演出する食器においては、ちょっとしたほころびによって大きく印象を悪くすることになりかねません。
このように、食器にはその種類によって確認すべきこと、気をつけるべきことがさまざまにあります。食器・グラス類を含めて居抜き物件を選定する際には、まず何よりもお客様が実際に使用するアイテムであることを第一に考え、お店の印象を大きく左右する可能性があることを忘れないようにしましょう。どうしても使えないと判断されるものであれば、新たに購入することも必要です。