【目次】
1.居抜き物件で焼肉店を開業するとお得な理由は?2.居抜き物件で焼肉店を開業する場合の注意点
3.居抜き物件で焼肉店を開業するのに必要な資格は?
4.焼肉店の開業は居抜き物件がコスパ最強でおすすめ
飲食店を開業する際、お店を開く場所やメニュー、客層など、オーナーの頭を悩ますものは数多くありますが、特にネックとなるのが開業にかかる費用の問題ではないでしょうか。
焼肉店は飲食店の中でも売上が好調なジャンルのため開業を考える人は多いですが、設備にお金がかかるため初期費用が高すぎて断念したという話もよく耳にします。
飲食店をオープンする際、柱・梁・床といった骨組みだけ残した「スケルトン」状態の物件を改装して利用している店舗を多く見かけます。
スケルトン物件は自分の好みにカスタマイズできる一方で工事にとてもお金がかかるため、設備自体にお金がかかる焼肉店では初期費用が膨大になってしまいがち。
そこでおすすめと言われているのが、居抜き物件です。
本記事では、なぜ居抜き物件がお得なのか、その理由や居抜き物件で焼肉店を開業する場合の注意点などを解説いたします。
居抜き物件で焼肉店を開業するとお得な理由は?
居抜き物件とは、以前入っていた飲食店などのテナントの内装や外装などの造作物が残った状態の物件のことを指します。
居抜き物件で焼肉店を開業すると、以下のメリットが考えられます。
- 初期費用を抑えることができる
- オープンまでの期間を短縮できる
初期費用を抑えることができる
居抜き物件で焼肉店を開業する一番のメリットは、なんといってもそのコストパフォーマンスの高さです。
新たに焼肉店をオープンする場合、物件取得費に加え客席や厨房、トイレ、空調設備などの基本的な内装や無煙ロースターやダクト、大規模な吸排気システムなど焼肉店特有の設備工事が必要となります。
これらの設備を全て一から導入するとなると、かなり高額な初期費用がかかることになります。
一方で以前焼肉店だった居抜き物件の場合、必要な費用は造作譲渡料と設備の入れ替え費用程度です。
以前のテナントで使用されていた設備をそのまま使うことができるので、設備にかかる費用をスケルトン物件のおよそ1/5までカットすることも可能。
浮いたお金を人件費など他のことにかけられるのは、大きなメリットではないでしょうか。
また、通常焼肉店は煙や油、においなどで店舗が汚れやすく近隣からのクレームも来やすいジャンルのため、出店を許可してくれる物件オーナーが他の飲食店と比べ少ないのが現状です。
一方で、もともと焼肉店が入っていた居抜き物件なら、焼肉店だからという理由で断られることがほぼないため大きなメリットと言えるでしょう。
オープンまでの期間を短縮できる
居抜き物件で焼肉店を開業すれば大掛かりな設備導入が不要になるため、店舗の工事にかかる日数を減らすことができます。
飲食店を開業する際、多くの場合選ぶのは貸店舗。 貸店舗は契約した日から家賃がかかるため、オープンまでの日数が長ければ長いほど空家賃が多く発生してしまいます。
そこでオープンまでの期間を短縮することができれば、空家賃の発生を最小限に抑えられるので、開業までのコストを減らすことにつながります。
居抜き物件で焼肉店を開業する場合の注意点
居抜き物件は初期費用や工期の削減など大きなメリットがある一方で、注意しなければいけないこともあります。
それは、焼肉店にとって生命線とも言える排煙設備と吸排気設備。
これらが不十分だと近隣や建物オーナーとトラブルになる可能性があるため、居抜き物件を選ぶ際は排煙設備と吸排気設備がきちんと設置され、動作も問題ない物件を選ぶようにしましょう。
卓上集煙タイプは火災に注意
焼肉店で使用される排煙システムには、下記の3種類があります。
- 無煙ロースタータイプ
- 卓上集煙タイプ
- 天井集煙タイプ
この中で注意したいのが、卓上集煙タイプの排気システム。 この排気システムで吸い込んだ煙はダクトに流れるものの、エルボーと呼ばれるダクトの曲がっている部分に油が溜まりがちになります。
そのため、焼肉を焼く火がここに引火し、ダクト全体に燃え移って火災を引き起こす恐れがあります。
もし検討している居抜き物件の設備が卓上集煙タイプだった場合は、ダクトに設置されている燃え移りを防止するダンパーという装置がしっかり作動するか事前にチェックしておくことが大切です。
シロッコファンの音を確認
焼肉店では大量の煙を一度に換気する必要があるため、シロッコファンという特別な換気扇を使用しています。
しかし、この換気扇のベルトやモーターを固定するゴムが劣化していると大きな音や異音を発生するようになるため、物件の内見をする際に換気扇を確認しておきましょう。
排水管の清掃状況を確認
焼肉店などの肉を専門に扱う飲食店では、排水管に肉の脂が付着することがよくあります。
そのため、付着した脂を放っておくと排水管が詰まってしまうことも。
築年数が3年以上経過し何度も焼肉店として利用されているような物件は、見た目は綺麗でも見えない部分が劣化していることもよくあります。
排水管の洗浄を最後に行ったのはいつか、どのように洗浄したのかなどを記した記録を契約前に確認し、場合によっては高圧洗浄をしてから引き渡しをしてもらうといった条件で契約を結ぶとよいでしょう。
居抜き物件で焼肉店を開業するのに必要な資格は?
焼肉店を開業する際に必要となるのは「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つの資格です。
この2つの資格は焼肉店だけでなく、すべての飲食店の開業に必要な資格となるため、焼肉店に限らず飲食店を開業したいと思ったら取得しておきましょう。
食品衛生責任者とは
食品衛生責任者は都道府県の食品衛生協会や保健所を有する市の食費衛生協会が認定している資格のこと。飲食店を開業する場合は店舗ごとに食品衛生責任者を配置し、保健所に届け出る必要があります。
資格取得に特別な学歴や就労経験は必要ありませんが、食品衛生責任者養成講習にて衛生法規・公衆衛生学、食品衛生学の講習を受講して終了証の発行を受ける必要があります。
調理師免許や栄養士などの資格を所持している場合は、食品衛生協会などに申請し食品衛生責任者手帳を発行してもらうことで講習免除での資格取得が可能です。
防火管理者
防火管理者は都道府県や消防本部などが認定している国家資格。
大勢の人が利用する施設などでの火災等による被害を防止するため、防火管理に関する消防計画を作成したり防火管理に関する業務を計画的におこなったりするための責任者としての役割を持ちます。
国家資格ではありますが、講習を受ければ誰でも受講資格を得ることができます。
一部学歴や実務経験を有している場合は、講習免除で試験を受けることも可能です。
防火管理者には「甲種」と「乙種」の二種類があり、甲種は規模の大きな施設の管理者としても届出が可能、乙種は一定規模以下の施設に限って届出が可能です。
大規模なレストランなどの開業を想定している場合は甲種を取得しておくとよいでしょう。
焼肉店の開業は居抜き物件がコスパ最強でおすすめ
今回は居抜き物件で焼肉店を開業することのメリットや注意点についてお話しました。
焼肉店は飲食店業界に大きなダメージを与えたコロナ禍においても売上が安定しており、開業ジャンルとしてとても魅力があります
。 そのため、焼肉店を開業したいと考えている方は多いですが、一方でデメリットとなるのが初期費用の高さ。
そこでおすすめなのが、居抜き物件での開業です。
前テナントが焼肉店だった居抜き物件なら、すでに焼肉店に必要な設備が設置されていて新たに導入する必要がないため、できるだけ初期費用を抑えて開業したい方にぴったりのコスパの高さでしょう。
ただし居抜き物件のコスパが良いからといって、どんな物件でも良いというわけではありません。
焼肉店は排煙システムや吸排気システムがきちんと作動していないと近隣や建物オーナーからクレームの原因になりやすいため、これらの設備がきちんと整っているか、メンテナンスが行き届いていて壊れていないかをよくチェックした上で物件選びをおこないましょう。
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