【目次】
1.居抜き物件トラブル① 契約のトラブル2.居抜き物件トラブル② 設備のトラブル
3.居抜き物件トラブル③ 近隣とのトラブル
4.居抜き物件トラブル④ 譲渡のキャンセル
5.まとめ
居抜き物件は、初期費用を安く抑えることができる魅力的な物件です。
メリットが大きい反面、トラブルが起こることもあり、その点は注意が必要となります。もちろん、すべての居抜き物件にそのトラブルが付きまとうわけではありませんが、トラブルの事例を知っておくことは大切です。
事例を知ることでトラブル回避することができますし、万が一の場合の対応策も考えておくことができるでしょう。
今回は、居抜き物件に関するトラブル事例と対応策をチェックしましょう。
居抜き物件トラブル① 契約のトラブル
居抜き物件取引のトラブルで多いのが、契約に関することです。
例えば、飲食店を開業するために手に入れた居抜き物件で、前の店のオーナーさんが何も片付けない状態で引き渡してしまったケース。
設備は問題ないものの、ゴミや不用品まですべて残っていて、それを手に入れた人がすべて負担しなければなりません。
ここで問題なのは、引き渡す際の条件を明確にしておかなかったこと。
居抜き物件の契約には、「不動産契約」と「造作譲渡契約」の2つがあります。つまり、物件を所有している大家さんとの不動産契約に加え、店舗自体のオーナーさんとの造作譲渡契約にわかれているのです。
大家さんとオーナーさんが同一人物であれば、さほどトラブルはありませんが、違っている場合には、引き渡し後の不備についてトラブルが起こりやすいです。
2つの契約があることを、あらかじめ頭に入れておきたいところです。
居抜き物件トラブル② 設備のトラブル
設備関連のトラブルも多くあります。
例えば、エアコンの不備です。
飲食店の居抜き物件で、エアコンについて「設置して5年未満だから大丈夫」とオーナーさんから伝えられていたのに、オープンしてすぐにそのエアコンが故障した場合。
オーナーさんに修理費用を請求したところ、「造作譲渡してあるので、責任はない。壊れないとは言っていない」という返答をされたとします。
こうなると、言った・言わない・聞いていないなどの水掛け論になってしまい、結果的に新たなオーナーさんが自腹で修理をすることになる可能性があります。
ここで問題なのは、造作譲渡に関しての文書での契約がなされていなかったことです。
居抜き物件の契約、特に造作譲渡に関しては口頭でのやり取りが多く、後になって問題が発覚しても、書面がないのでどうすることもできないケースが少なくありません。
口頭だけのやり取りにはせず、しっかりとした文書を残しておくことが、こうしたトラブルを防ぐポイントと言えるでしょう。
居抜き物件トラブル③ 近隣トラブル
居抜き物件を手に入れる場合、その建物の立地条件もしっかりとチェックしておくのが基本です。
そして、条件だけでなく近隣とのトラブルがなかったのかも確認が必要です。
もちろん、飲食店の居抜き物件の場合には、その場所で飲食店を経営していたわけですから、近隣トラブルはないと考えるのが普通です。
ですが、もともと近隣とのトラブルがあったにもかかわらず、営業をしていたという可能性も捨てきれません。
実際に、居抜き物件で飲食店を開業した途端、近所からクレームが出たというケースもあります。
クレームの内容としては「前のお店の騒音に対してクレームを入れていたものの、対応してもらえなかった。やっと閉店したと思ったらまた違う店ができたから困っている」というもの。
契約の際にその様な話が出なかったとはいえ、事前のクレームがあったのかどうかを調べておく必要があったと考えられます。
幸いなことに、このケースは近隣との話し合いを重ね、近隣との信頼関係が築けたことで問題は解決しましたが、解決しないままだと営業自体にも支障が出ますから、気を付けたいものです。
居抜き物件トラブル④ 譲渡のキャンセル
契約を済ませてそれぞれの準備をしていた際に、事情によりキャンセルをされたというケースは少なくありません。
これは居抜き物件を譲渡される側・する側どちらにも当てはまるトラブルです。
どちらにとっても、契約後のやむを得ない事情でのキャンセルは仕方ないのですが、契約書の中に解約手続きに関する内容を盛り込んでおくことが重要です。
居抜き物件の譲渡がキャンセルになった場合、そのままの状態で次の契約を待つか、スケルトン状態にしておくかどちらかになります。
譲渡する側としては、万が一のキャンセルに対して、キャンセル待ちの希望者を募っておくことも必要でしょう。
まとめ
居抜き物件はメリットも多いですが、こうしたトラブルが起こる可能性もあります。
トラブルが起こると時間と費用がかかってしまう可能性が高くなりますので、契約内容をしっかりと確認し、事前に入手できる情報はできる限り多く持っておきましょう。
もちろん、どれだけ準備をしても、予想していないトラブルが起こることもあります。
リスクやデメリットをあらかじめ把握しておくことで、何らかの対処ができるでしょうし、慌ててしまうこともありませんから、知識の一つとして覚えておきましょう。