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2021/6/11

【成功基本原則】融資担当者にYesと言わせる資金調達のポイントとは?

必要資金と資金調達のノウハウ教えます。

【成功基本原則】融資担当者にYesと言わせる資金調達のポイントとは?

飲食店を開業する上で、あるいは廃業しないで長年経営し続けるためには運転資金が重要です。その運転資金が手持ち資金や毎月上がる利益で賄えればそれに越したことはありませんが、しかし手持ち資金や利益では足りない場合、誰かから借りることになるでしょう。その借りる相手が金融機関の場合、どのようにすれば融資を受けることに成功できるのでしょうか。そこでここではその融資成功の基本原則を解説して行きます。

融資を通過するために

資金調達をしなければならない場合、以下のような方法が考えられます。

  • 日本政策金融公庫からの融資
  • 国や自治体の運営する補助金や助成金の獲得
  • 信用保証協会の保証がついている「制度融資」で金融機関から借りる
  • 地元の信用金庫、信用組合からの融資
  • インターネットを使ったクラウドファウンディング
  • カードローンなどで消費者金融から借りる
  • 家族、親戚、知人友人から借りる、または援助してもらう

この中で1番先に考えたいことが、家族や親戚からの援助ですが、2番目に検討すべきが日本政策金融公庫からの融資です。日本政策金融公庫とは、政府系金融機関の1つで、民間の金融機関ですが、経済発展や国民生活の安定などを実現するために経営されています。ですから、中小企業や個人事業への融資を積極的に行っているのです。

中小企業や個人事業への融資は信用組合などで受けられますが、特に日本政策金融公庫の利用を検討したい理由は、融資の審査が通過しやすいだけではなく、以下のメリットもあるためです。

  • 金利が低い
  • 返済期間が5年以上と長い
  • 担保、保証人が不要の商品がある
  • 日本政策金融公庫の融資が通過すると、ほかの金融機関の融資も通過しやすくなる

ですからここからはこの日本政策金融公庫からの融資審査を通過するためにはどのようなことがポイントなのかという点に絞って解説して行きます。

日本政策金融公庫とは

最初に日本政策金融公庫からどのような制度で融資を受けられるのかという点についてです。

日本政策金融公庫の融資は2種類

日本政策金融公庫で飲食店がぜひ融資を受けたい金融商品は以下の2つです。

新創業融資制度

日本政策金融公庫が創業、つまり開業予定、あるいは開業して2年間までの飲食店経営者に無担保、無保証で融資してくれる制度です。融資限度額は3,000万円でうち運転資金は1,500万円です。

中小企業経営強力化資金

これも基本は「新創業融資制度」と同じですが、融資限度額は7200万円でうち運転資金は4,800万円と高額なため、融資の審査が比較すると新創業融資制度よりも数段厳しくなっています。ですからこの融資を受けたい場合には、税理士などの専門家に依頼したほうがよいでしょう。

日本政策金融公庫での融資を受ける手順

日本政策金融公庫で融資を受けるまでの手順は以下の通りです。

日本政策金融公庫に相談に行く

まず融資が必要になったら最寄りの日本政策金融公庫の支店の融資担当窓口へ相談に行きます。相談に行くと、融資までの流れの説明とともに、借入申込書や開業計画書などの必要書類をもらえます。融資の流れや、必要書類の書き方などに疑問があればこの時にしっかり質問しましょう。また帰宅後でもわからない点があれば、後日メールで質問可能です。

融資の申し込みをする

以下の必要書類を作成し、融資の申し込みをします。

  • 借入申込書
  • 開業計画書(事業計画書)
  • 内装や設備、什器の見積書
  • 担保が必要な場合はその物件の登記簿謄本または履歴事項全部証明書
融資の面接を受ける

申し込むと、日本政策金融公庫の担当者との面接です。提出した開業計画書を使って、飲食店を開業する目的、自店舗の強み、成功できると考える理由、用意している自己資金の額、売上の見通しを説明します。

日本政策金融公庫は積極的に中小企業や個人事業主に融資してくれるとは言え、貸し倒れになるようなことはしませんから、しっかり返済可能な経営者にだけ融資してくれます。したがってこの面接時に、担当者に「この飲食店は成功しそうだ」と思わせなければ融資の審査は通過しません。かと言って担当者はこちらの「熱意」だけでも納得してくれません。きちんと論理的に成功の見通しを語れなければならないのです。

ですから説得力がしっかりとあって融資担当者を納得させ「Yes」と言わせるような説明、そして説明の基礎となる開業計画書の作成が大切なのです。

開業計画書のほかにこの時必要となる資料は以下の通りです。

  • 現在の仕事の給料明細または源泉徴収票
  • 内装、外装の工事費などの見積書
  • 自己資金が確認できる預金通帳(最近6か月分の公共料金などが引き落とされている通帳)
  • 開業のために使った資金の領収書
  • 店舗の賃貸借契約書(または予約契約書)、あるいは物件の説明書
  • 賃貸住宅に住んでいる場合は、最近6ヶ月の自宅の家賃の領収書
  • 営業許可証、必要な資格を証明するもの
  • 身分証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
  • 印鑑
融資が決定する

融資の審査に通過すると、金銭消費貸借契約書など融資契約に必要な書類が送られてきます。これを提出し、契約が締結されれば、通常1ヶ月~2ヶ月程度で融資金額が自分の金融機関の口座に振り込まれます。

返済していく

そして返済です。ただし、すぐに元金の返済をしなくても、「据置期間」の設定があれば、自店舗が軌道に乗るまで利息のみの返済でOKです。

日本政策金融公庫での融資条件とは

以上が日本政策金融公庫から融資を受ける流れでしたが、融資を受けられる人には以下の2つの条件の両方を満たす必要があります。

新たに開業する人

新たに飲食店を始める人、または開店してから確定申告の回数が1回までの人です。

自己資金が以下の条件を満たしている人

開業時に開業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意できている人です。ただし、「現在働いている飲食店と同じ業種の店を開業する場合」「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める場合」は、上記の条件を満たしていなくてもOKになります。

融資を受けられる確率は?

では日本政策金融公庫の融資を受けられる確率はどの程度なのでしょうか。あるいは、その確率を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。

専門家に依頼する

日本政策金融公庫からの融資を受けるためには、書類がしっかり揃っていること、開業計画書の内容が納得できるものであること、担当者との面接でしっかり担当者を納得させられることが必要です。

このうち3つ目の点は本人次第ですが、しかしその基礎となる開業計画書の作成などは、事務的な仕事に慣れていない人に難しいかもしれません。そのような場合、会計士などの専門家に頼む人も多いようです。

もしも自分もその方法をとって確実に融資審査に通りたいという人は、インターネットで「日本政策金融公庫 融資」で検索すると多くの専門家が表示されますから、探してみましょう。

審査に通る人の条件は

ただし、どのように書類が素晴らしくても、以下のどれかに該当している場合は、審査を通過する可能性は限りなく低くなります。ですから以下に該当していないことが融資を通過するための鉄則です。

  • 過去5年以内に破産、債務整理などをしたことがある
  • 過去に消費者金融を利用したことがある
  • 水道光熱費などの滞納をしたことがある
  • 税金を滞納したことがある
  • 家賃を滞納したり、支払いが遅れたことがある
  • 自己の貯金が100万円未満しかない
  • 自分の貯金と親族などからの支援金の合計が300万円未満しかない
  • 自分の貯金と親族などからの支援金と融資金額の合計があっても物件取得の費用が賄えない
開業計画書、事業計画書を明確に書く

以上に該当せず、しっかり自分で自店舗の内容を考え、成功確率がある程度高くなっていると誰から見ても納得できれば、ほとんど場合は融資の審査は通過します。しかしこの審査は人間がするものなので、書類や面接の印象によって本来は通過するはずの内容なのに、落ちてしまう場合もあり得ます。逆に、ぎりぎりで通過が難しそうなものでも、書類がしっかりしていて、面接で担当者を納得させられれば、融資が通過する可能性もあるのです。

そのように融資の審査を通過する確率を上げるためには、何といっても開業計画書をしっかり作る必要があります。そのためには、以下の内容を開業計画書に盛り込みましょう。

1つは売上の主力メニューを明確にすることです。書き方は

【ランチ】ランチスパゲティセット 売上占有比45%。客単価800~1,000円 
【ディナー】コース(2,500円と3,500円)ドリンク売上占有比55%。客単価3,500円 

などのように具体的で、かつ売上計画と連動していることがポイントです。

2つめは自店舗の「強み」です。世の中に数ある飲食店のうち、なぜ人が自店舗を選んでくれるのか、ということについて担当者が納得してくれなければなりません。そのためには、以下のような自店舗の強みを明確に書き、その根拠も合わせて示すことが重要です。

  • イタリア直輸入の小麦粉を使って自家製麺した生パスタを提供する
  • 漁師と契約して直接仕入れた新鮮な魚介類を材料にした料理を提供する
  • 野菜も契約農家から無農薬のものを仕入れて使用する
  • 英国アンティーク風の内装にして、大人の女性が喜びそうな隠れ家的雰囲気にする
開業後に成功する見通しが立っているとわかること

さらに、いくら料理や内装の内容がよくても、それによってどのように売上が上がり、利益が出るのかということを「数字」で示さなければ納得は得られません。したがって、「開業後の見通し」を明確で根拠のある数字で書きましょう。審査が通過するかどうかの50%はこの部分で決まります。

内容的には、月間売上、原価、経費(人件費、家賃、支払利息、消耗品、販売促進費、水道光熱費など金額の大きいもの)を算出し、利益まで計算したものを、開業時と、その何か月後かに軌道に乗った時点の両方で書きます。具体的には以下のようにしましょう。

【開業段階】
売上 1,212,500円/月
<根拠>
1日の売上 ランチ @900円×15人
ディナー @3500円×10人 合計48,500円
月間売上 48,500円×25日=1,212,500円

仕入れ 424,375円/月
<根拠>
1,212,500円×原価率35%=424,375円

経費 590,333万円

<内訳>
家賃 20万円/月
支払利息 8,333円(借入金500万×年利2.0%÷12ヶ月)
=8,333円/月
人件費 アルバイト
時給1200円×6時間(ランチ2時間ディナー4時間)×(平日15日が1名、週末10日が2名)
=252,000円/月
販売促進費 3万円(グルメサイト1万円、割引2万円)
その他(水道光熱費、通信費、雑費) 10万円

利益 161250円/月
<根拠>
売上1,212,500万円-仕入れ424,375円-経費590,333万円
=197,792円

【1年後(軌道に乗った段階)】
上記をベースに、

  • リピート客増加による売上増
  • 売上増に連動した原価の増加
  • 来店客が増えることでのシフトイン増加による人件費の増加
  • 変動する費用(紙ナプキンなどの消耗品、水道光熱費など)の算出

を勘案して算定します。この時出す売上と利益は、「自分がこうなったらいいなと思うレベル」と「何もかもうまくいかなかった場合のレベル」の中間くらいのイメージで出しましょう。

以上のように具体的な内容で開業計画書を作成すれば、融資担当者もこの飲食店は融資をしてあげればしっかりと経営して成功しそうだと判断してくれます。さらにここまで自分で具体的に考えておけば、面接の時に突っ込まれて質問されてもしっかり答えられますから、審査を通過する確率はかなり高くなるでしょう。

まとめ

いかがですか。

年間で多くの飲食店が開業していますが、そのうちの50%は開業後半年以内に廃業しています。その理由のほとんどは運転資金の不足です。そうならないためには、開業時に十分な、できれば1か月に必要な資金の6か月分程度は用意しましょう。

その運転資金が全額自己資金で用意できれば問題ありませんが、そうでなければ金融機関から融資を受けることが必要です。その中でも特に融資を受けたいのが低金利、無担保で融資してくれる日本政策金融公庫です。

しかし融資には審査がありますからそれに通過しなければなりません。通過するためには以上のポイントをしっかり理解し、かつ実行して書類の点と面接の準備の点で完璧を期すようにしましょう。そうすれば融資の審査に成功する可能性は非常に高まるはずです。

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