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2021/6/25

飲食業の家賃の適正な売上は?家賃に対して10倍はないとダメ?

業績改善・売り上げUPのノウハウ教えます。

飲食業の家賃の適正な売上は?家賃に対して10倍はないとダメ?

飲食店を開業するためにはまず物件探しが必要です。その際に見つけた物件が自分にとって良いものかどうかということを判断根拠として重要な点は、もちろん立地もありますが、家賃です。家賃は毎月黙っていても出ていく固定費なので、必要以上に高いと、後々重くのしかかって、赤字の原因になりかねないからです。では「必要以上に高くない」家賃とはいくらくらいを指すのでしょうか。あるいは逆に、ある家賃が決まっていた場合、それにふさわしい売上は家賃の10倍だという説もありますが、それは本当のことなのでしょうか。そこでここでは家賃と売上の適正な関係について解説します。

飲食店の売上計算方法とは

まず最初に、前提となる売上はどのような考え方、計算方法で出したらよいのか、という点について解説します。

売上計算の公式

売上には2つ「公式」があります。1つは以下のものです。

売上=(新規客数+リピート客数)×顧客単価

つまり、売上は新規のお客様とそこからリピートしてくれるお客様がいて、その総人数に自店舗の顧客単価をかけたものです。もしも自店舗がランチとディナーの両方を営業している場合、それぞれの集客人数と顧客単価から計算しましょう。

またもう1つは以下のものです。

売上=座席数×埋まる席の割合(満席率)×1つのテーブルに何回来店客がつくか(回転率)×客単価

これは、自店舗のキャパシティと営業の繁盛度合いから計算する式です。家賃を考えるうえではこの2番目の公式が非常に重要になります。

全国の飲食店の平均的な売上は

ではこのような計算から実際に得られている、飲食店の平均的な売上はいったいいくらくらいなのでしょうか。現実的にはカウンターだけの店から大規模店までありますし、また業態によっても変わってきますが、その標準的な売上も以下の計算方式で得ることができます。

坪売上とは

1つは「坪単価」という考え方です。これはその飲食店のキャパシティと、どの程度のゆったりした、あるいは詰め詰めの座席を設置するかという計算方法です。

物件面積から適正な売上を計算する

まずよくある疑問は、自店舗が借りる物件の坪数に対して、どの程度の座席数が適正なのか、ということでしょう。それは業態によって異なります。

まず設備の整ったキッチンで調理する必要がある一般的なレストランは、物件の全体の広さに対して40%程度の厨房面積が必要になります。ですから逆にホールの面積比率は60%ということです。これが居酒屋の場合は厨房面積が30%でホールが70%、カフェやバーの場合はそれぞれ20%と80%になります。

さらに、このホールの面積に対してどの程度の座席数が適正かというと、高級レストラン、顧客単価の高い居酒屋や割烹などではゆったりと座席を設置するので、坪あたり1.5席程度になります。逆に、ファストフードや安さを訴求するような飲食店であれば、坪あたり2.5席程度です。どちらでもなく普通の飲食店だという言う場合は、坪あたり2席になります。

たとえば20坪の居酒屋の場合は、ホール面積率が70%ですので、客席は14坪の中に設置します。そして少し詰めたか感じにしようと思えば、14坪×2.5席 なので、35席が作れるという計算になります。

もしこの居酒屋が17時~24時までの7時間営業で、客単価は2,500円、なおかつ毎日2回転するとした場合、売上は先に書いた2番めの公式に当てはめると、以下の通り計算できます。

席数(35席)×満席率(0.8)×回転数(2回転)× 客単価(2,500円)
=1日あたりの売上(14万円)

仮にこの居酒屋が日曜日だけ休業して、月に25日の営業だとした場合は月間で14万円×25日=350万円の売上が計算できまるわけです。

その場合の坪当たり面積は

この居酒屋は20坪で月350万円の売上なので、坪あたりの売上は175,750円とかなりの繁盛店だということになります。

ラーメン店の場合の坪当たり売上の計算例

この計算方式で、ほかの業態の坪あたり売上も出してみましょう。まずラーメン店の場合です。

ラーメン店の場合は厨房面積の比率の標準は18%、つまり客席面積比率は82%です。仮に10坪の物件の場合はホールが8.2坪になります。

さらに、ラーメン店はカウンターもあり、詰め詰めの座席数でもよいですから、平均して座席数は、8.2坪×2.5席=約20席です。

また、午前11時から午後11時までの12時間営業をするとして、1日の回転数は10回転だと仮定します。そして顧客単価はラーメン1杯700円と、餃子300円を3人に1人が注文するとして100円で計算し、800円だとします。

すると、日商は800円×20席×10回転=16万円で、休日なしで営業した場合は月商480万円になります。これを20坪で割ると、坪あたりの売上は24万円になります。

カフェの場合の坪当たり売上の計算例

カフェの場合でも計算しましょう。条件は以下の通りだとします。

物件総面積 15坪
客席面積比率 80%
席の配置は普通
毎週木曜休業
営業時間は7時から19時の12時間
顧客単価 500円
回転数 6回転
満席率 0.5

この場合、坪あたり売上を出してみると以下の式になります。

日商は15坪×80%×2席×0.5×6回転×500円=36,000円です。 そして月商は、36,000円×25日=90万円です。したがって坪あたりの売上は90万円÷15坪=6万円ということになります。

以上の計算方法で、自店舗の日商、月商、坪あたり単価を計算してみましょう。また飲食店の平均売上という明確な金額は出ませんが、これでおおよその業態別の標準的な売上は想像できるでしょう。

売上管理も重要

この記事は家賃の適正価格がどの程度かというテーマですが、その前に売上管理について解説します。

売上管理とは

なぜここで売上管理の話かというと、飲食店を含めて商売をする最大の目的の1つは利益を出すことであり、そのためには売上管理が重要だからです。

では売上管理とはどのようなことを指すのでしょうか。

売上管理とは単に毎日、毎週、毎月の売上を「集計」することだけを指すのではありません。仮に売上が思ったように伸びない場合、その原因までわかるように以下の点を把握することです。

  • 自店舗の規模で適正な売上はいくらなのか
  • それに届いていない場合、集客数、回転率、顧客単価のうちどこに問題があるのか
  • さらに利益が出ていない場合、売上以外の部分のどこに問題があるのか。経費の中でどれが過大なのか

以上の部分まで分析することが売上管理の内容なのです。

売上管理が必要な理由

ではなぜ売上管理が必要なのかと言えば、端的に言って、売上アップを実現し、利益を出すためです。

そのためには、以上で挙げたような、売上の内訳と経費の内訳を把握することが必要なのです。

その中に家賃も含まれるので、家賃の適正費用を解説する前に、売上管理について触れたわけです。

飲食店の売上管理の方法は

ですから売上を含めたすべての経費を分析することがベストですが、しかし1日の営業をしたうえでそれらを行うことは時間的にも難しいでしょう。売上管理をする上では、その売上と経費の中でも特に重要な部分だけを管理し、分析しましょう。それを実行すればおおよその問題点は把握できます。

その必要な部分とは、売上のほかには、仕入額つまり原料費と、従業員を雇った場合の人件費です。英語で言うと、「Food」と「Labor」なので、この2つの費用を合計したものをFLコストと呼んでいます。

毎月の利益をしっかり出していく上では、売上をただ上げるだけではなく、このFLコストを適正に、かつお客様満足を下げないレベルでできるだけ低くすることが重要です。なぜなら、おいしいものを作って満足してもらおうと食材を贅沢に使い、お客様にしっかりサービスしようと十分以上のスタッフを雇った場合、満足客が多くて売上がいくら上がっても、経費倒れで赤字になってしまうからです。毎日忙しく営業しても結局赤字ではその商売は続けられません。

ではFLコストがどの程度であれば適正かというと、Fが売上に対し30~35%、Lが25~30%で、FLコストの売上比は55%~65%です。ただし、これは合計であって、目標はFLコストの売上比、つまりFL比率を最大でも60%以内にするようにしましょう。

ですから毎月利益を出していくためには、このFLコストを売上の60%以内になるように食材の仕入れをコントロールし、毎日のシフトを調整するのです。それも1か月終わってから計算したのでは、いくら問題点がわかっても手遅れなので、基本は毎日の売上を締めた時に、一緒にFLコストも計算し、60%以内に収まっているかを確認しましょう。

そして1日の数字だけではなく、その月の累計のFLコストとFL比率が60%以内になっていのかを分析して、オーバーしているようであれば仕入れ先を見直したり、従業員のシフトを考え直したりしましょう。

家賃に対して売上はどれだけあるのが標準?

売上管理の中で最重要な項目は上で挙げたように、売上自体とFLコストですが、そのほかにも水道光熱費、販売促進費、消耗品費なども大切です。なぜならその費用は全体の売上に対して占める比率が大きいので、この金額が過大になるといくらFLコストを管理しても、結局赤字になってしまうからです。ですからこれらの費用も、毎日とは言いませんが、毎月しっかり見ていきましょう。

それらの費用と同様に重要なのがこの記事のテーマである家賃です。なぜなら、家賃は1回契約してしまうとなかなか変更できないからです。またFLコストや水道光熱費、消耗品はある程度売上に比例して、売上が増えれば「売上比率」は変わりませんがそれぞれの「実額」も増え、逆に売上が減れば減ります。

しかし家賃は仮に売上が0円でも、関係なく満額かかってしまいます。ですから、家賃の高低が利益を出していくうえでボディブローになって効いてくるのです。

ではその家賃は売上比としてはどの程度が標準なのでしょうか。

これもその飲食店のコンセプトや回転率などで変わってきますが、一般的には10%までとされています。では逆に。よい物件を見つけて契約しようとしたときに、その物件の家賃に対して、いったいいくら売上を上げれば利益が出るのでしょうか。

家賃に対して必要な売上の考え方。計算方法は?

その計算方法は以下のようになります。

まず家賃に対する適正な月商は、たとえば家賃が20万円であれれば

家賃(20万円)÷10%=200万円 

つまり10%で割るということは10をかけるということなので、売上は家賃の10倍必要といわれているわけです。したがって、先ほど例にあげた、20坪で売上が350万円の居酒屋だったすれば、家賃から算出した目指す売上が200万円なので十分以上の利益が出そう、ということになります。

逆に1か月最低200万円の売上を出さなければならないとすると、先ほど計算した売上の想定式は、以下のような考え方になります。

まず、月200万円ということは25日の営業で、日商8万円です。したがって、1席あたりの日商は、売上8万円÷35席=2,285円です。

顧客単価が2,500円で変わらないとすれば、1席あたりの1日の集客必要数は2,285円÷2500円=0.914人です。

これに満席率の0.8を考慮すると、回転率は0.914÷0.8=1.1425です。
つまり回転率は、最低1.1ないと赤字になるということです。
また1日の集客必要数は8万円÷顧客単価2,500円=32人ですから、新規客とリピート客を合わせて最低32人は集客できないといけない、ということです。

ですから仮に200万円の売上がいかない場合は、最低32人の集客ができているかという点を考え、その数字に近づくように集客のための販売促進施策や、顧客満足度を上げる方策を考えたりすることが必要になるわけです。

あるいはそれらの手段を打っても赤字の場合は、本当に20万円の家賃が適正なのかを検討して、次回の契約更新時に家賃を値下げする交渉も考えましょう。

まとめ

いかがですか。

家賃の話を切り口に、自店舗の営業で利益が出るための売上管理と管理が必要な経費の話まで触れました。上でも書いたように、商売の基本は売上を上げることではなく、それによって利益を上げることです。なぜなら売上が仮に低くてもても利益が出れば商売は続けられますが、売上がいくら上がっても赤字ならその商売は続けられないからです。

ですからここで解説した家賃を含めた経費をしっかりと考え、適正な経費構造になるようにしていきましょう。

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