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2021/6/25

危険!飲食店の多角化はそのやり方では失敗します!成功するポイントは?

多店舗化のノウハウ教えます。

危!飲食店の多角化はそのやり方では失敗します!成功するポイントは?

飲食店で1店舗目が成功した場合、2店舗目を出店することを考えるでしょう。その時に同じ業態で出店することが最も成功する確率が高い方法であることは事実ですが、しかしそのような安易な道は失敗とも背中合わせなのをご存知ですか。飲食店の多角化をする場合は、1店舗目を出すのと同じようにゼロベースから考えて別業態で出すことが実は飲食店が成功する道筋であり、事業全体が拡大していける方策なのです。そこでここでは、なぜ多角化をした方がよいのか、そして飲食店の店舗の多角化をいかにしたら成功できるかという点について解説して行きます。

多角化とは

そもそも飲食店の多角化とはどういうことなのでしょうか。

一般的な経営戦略上の多角化の意味とは

一般的な事業経営上の意味での多角化とは、企業が売上や利益を伸長させていくために、今行っている主力事業とは別に、新製品や新事業を市場に投入して、企業全体の成長を果たしていくというと事業戦略のことです。

この多角化という事業戦略は、主力事業を拡大していく戦略に比べて、はるかに大きな利益が稼げる点がポイントです。また、新規事業を立ち上げることはリスクが大きいような印象がありますが、実は多角化をすることは、企業全体のリスク分散をするというメリットがあるのです。

たとえば飲食店で言えば、同じ業態での店舗を複数出している場合と、すべて違う業態で多店舗生かしている場合で比較しましょう。その時、仮に1つの業態のブームが去ってしまうと、前者の場合は全店舗の売上が下がって企業としては大打撃を受けてしまいます。しかし後者であれば、売上が下がるのは1店舗だけなので、売上のダメージが軽微で済むのです。

「金のなる木」の利益を「問題児」に振り向け「スター」に育てる

事業戦略を考える場合、その事業や店舗を4つに分類する方法がよく用いられます。その4つとは「金のなる木」「問題児」「スター」「負け犬」です。

金のなる木は、事業の成長性はないが、新たな投資をしなくて済むので利益率は高い業態です。問題児は逆に事業分野としての成長性は非常に高いが、まだ投資段階であるため赤字である業態です。スターは成長性も非常にあり、なおかつ利益も出している業態です。これは今後さらに大きな利益を上げていくはずです。そして、成長性もなく赤字の業態が負け犬です。

今利益が出ている企業の多くは金のなる木の事業や店舗に頼っているところがほとんどです。しかし、これから先も利益が出続けるかどうかは非常に疑問でしょう。金のなる木がいつ負け犬になってもおかしくありません。

そのような事態を避けるためには、新しい業態を起こして、それが最初は問題児であっても、幸い金のなる木が利益を生み出してくれていますから、その利益を問題児に投入して、問題児をスターに育てていくことが重要なのです。

これが多角化戦略が注目される基本的なポイントです。

多角化の4つの方法

では多角化はどのような方法で行われるのでしょうか。飲食店で行う場合の例を挙げながら解説します。

1つは「水平的多角化」です。これは今持っているノウハウを生かして、新たな顧客を生み出していく方法です。たとえば焼肉業態を経営している企業が、ステーキハウスを展開するようなことです。

2つ目が「垂直的多角化」です。これは今行っている事業の「川上」を行う方法です。現在行っている、直接消費者と接する飲食店は「川下」です。その川下から、飲食店で提供する食材を製造する「川上」に進出するのです。たとえば、ファミリーレストランが食品加事業を立ち上げるようなことです。

3つ目が「集中的多角化」です。これは今行っている事業や、持っている資源をさらに高度化することによって立ちあげる多角化です。たとえば、今自店舗で使っている野菜を自前の畑で生産している場合、その植物に対する知見を活かしてバイオ事業などを立ち上げることです。

4つ目が「集成的多角化」です。これは今行っている事業や業態と全く関係ない分野で、成長性がありそうな事業に参入することです。たとえばカフェレストランがレンタルオフィス事業を立ち上げるようなことです。

このうち、まだ1店舗ないし2店舗程度の飲食店を経営している場合、採用する多角化戦略は「水平的多角化」が最も取り組みやすいものです。つまり、今のノウハウを生かせる別業態を2店舗目として出店することです。

なぜ業態を変えて進出するのか?

なぜ2店舗目は業態を変えて進出することがよいのでしょうか。

まず同じ業態の店舗を出店する場合は、最初に書いたように、その業態に対するブームが終わったり、あるいは食中毒問題が起こったり、従業員がSNSなどで炎上騒ぎを起こして風評被害が発生したりした場合、全店舗が影響をこうむり、売上的に大打撃を受けてしまう危険性が高いという点が挙げられます。

したがって、別業態で新店舗を出した方がリスク分散できるのです。

ほかにも別業態で新店舗を出店したほうがよい理由があります。それは以下のようなことです。

まず同じ業態の場合、その店舗同士の立地が近いと、顧客の食い合いが起きて、全体の売上が下がってしまいます。これを「カニバリズム」つまり「共食い」といいます。しかし業態が違えば、立地が近くてもそれぞれの店舗が顧客を取り合うこともなく、同時に成長していけます。

2つ目は本業で培ったノウハウや仕入れ先が新しい業態でも生かせる点です。たとえば、現在、海鮮居酒屋を経営していれば、魚をさばけるスタッフもいて、食材の見分け方、調理の仕方もしっかりできるでしょうから、そのノウハウを活用して価格帯の異なる高級料理店を出すということです。その場合食材の仕入れ先も現業のものが使えます。

3つ目は、新しいチャンスが見いだせる点です。今の業態の成長性は、経営者であればだいたい分かっているでしょう。そこに大きなチャンスがあれば別ですが、先が見えている場合は別の顧客に対して、別の料理とサービスを提供する業態を立ち上げた方が、新しいチャンスをつかめる可能性が高いです。

4つ目は市場の変化に対応できる点です。消費者の食への嗜好は常に変化しています。事業を永続的に反映させていくためには、飲食店側も常に変化していくことが必要です。でなければ、気づいた時には時代遅れになっていて、一気に売上が下がってしまう危険性があります。つまり、事業において「変化しない」ことは非常に危険であり、ある意味それは「退化」と同じことだともいえるのです。

以上の理由から、別業態での出店、つまり多角化を推奨するわけです。

多角化のタイミング

では多角化はいつ実施すればよいのでしょうか。それには以下のようなタイミングがあります。

資金的、人員的に余裕ができた

1つは現店舗で上げた利益が蓄積されて、新業態に投資ができる余裕が生まれた段階です。あるいは人員的にはスタッフが育ってきていて、現店舗のサブリーダーをしているスタッフが、十分にリーダーになれるようになったような段階です。

新しい飲食のトレンドを察知した

2つ目は飲食店経営者が、さまざまに市場と接したり情報を収集する中で、新しい飲食のトレンドが来ることを察知した場合です。飲食店は特に先行者利益のある分野ですから、そのような場合はいち早く参入したほうが、より成功しやすくなります。

本業に陰りがある

3つ目は、現店舗の売上や利益の伸びに陰りが出てきた時です。これが、赤字になってからではほかの業態に投資する余裕がなくなりますから、まだ黒字が出ていうるうちに他の業態を立ち上げるべきです。

本業とのシナジー効果のある事業を見つけた

4つ目は現業態とシナジー効果のある業態を思いついた場合です。シナジー効果とは、相互に良い影響を与え合う効果であり、一石二鳥が生み出せる効果のことです。たとえば、基本的には若鶏しか使わない焼き鳥店が、若鶏を生むための親鳥ですでに卵を産まなくなってきている鶏を中心食材にした、「ひね鶏」専門業態を立ち上げることです。

多角化によるメリット・デメリットとは?

以上のタイミングで多角化を実施する場合、それにはメリットもありますが、デメリットもあります。それをよく踏まえた上で実行しましょう。具体的には以下のようなことです。

メリット

まずメリットからです。

1つは先ほどから何度も挙げているように、多角化によって経営が安定することです。多角化によって、消費者の嗜好変化や食材の高騰など、業績に多大な悪影響のある事象が起こった場合の、業績不振のドミノ倒しを防げます。

2つ目は事業の成長が加速化することです。同じ業態で新店を出す場合よりも、新業態で出した方が、今までつかめなかった顧客ニーズを獲得できる可能性があります。それは今の業態よりもさらに成長が見込める分野かもしれません。そうであった場合、飲食事業全体として大きな成長の可能性が生まれます。

デメリット

もちろんデメリットもあります。

1つは、現業態のノウハウを生かすといっても、やはり新業態である以上、新しいオペレーションやマニュアルを構築する必要があることです。スタッフも現業態から移籍させる場合は教育のし直しが必要ですし、あるいは新たに雇用してゼロから教えなければならないかもしれません。

2つ目は一時的にコストが増大することです。新業態が最初から大きな利益を上げる可能性は現実問題としては低いです。少なくとも市場に認知され、リピート客がつくまでには多少の時間がかかります。その間は売上よりもコストの方がかかって、赤字になるでしょう。

3つ目は、もちろん新業態は失敗する可能性も高いということです。新たな業態は大成功する可能性と、失敗する可能性の2つを包含しています。

多角化していく上でのポイント

以上のメリットとデメリットを踏まえたうえで、できる限りデメリットを消して多角化に取り組むためには何がポイントなのでしょうか。それは以下のような点です。

現業態の手を抜かない

多角化のポイントは、新業態に投入できる利益を飲食事業全体で確保することです。その利益に源泉は現業態ですから、新業態を立ち上げたからと言ってそちらにかかりきりにならずに、現業態にも今まで以上に力を入れて、さらに利益を出すように努力することが必要です。

現業態のコスト効率を高める

同時に現業態のコスト構造も見直しましょう。たとえばFLコストをあと1%さげることができれば、それだけ新業態に投資できる資金が生まれ、新業態が早期に黒字化できる可能性が高まります。

小さく始める

新業態を立ち上げる場合は、その市場の可能性を感じ、提供するサービスに競争力があると信じて行うでしょう。しかし、だからと言って、最初から大きな店舗を構え、多くのスタッフを雇用することはやめましょう。どのように成功する可能性が高いとしても、最初は店長だけで切り盛りできる程度の小規模店舗からスタートすべきです。その方が、小回りが利いて戦略を修正することも容易ですし、仮に失敗した場合でも傷が浅くて済みます。

小さなM&Aを行う

新たに立ち上げようと思っている業態と似たような店舗がすでにあれば、それを買収する、つまり小規模のM&Aを行うという方法もよいでしょう。すでにその店舗にはある程度の顧客がついていますから、すぐに成功軌道に乗り、時間をお金で買うことができます。

フランチャイズを利用する

同じような理由で、すでにフランチャイズ展開がある業態への進出なら、加盟してもよいでしょう。その方が自力でノウハウを構築したり、仕入れ先を開拓する手間が省けます。そしてある程度ノウハウが身についた段階で、フランチャイズ契約を解除して独立すればよいのです。

撤退する基準を最初に作っておく

また多角化をする上で重要な点は、撤退する基準を最初に設けておくことです。たとえば累積赤字が1,000万円になったら、すっぱり撤退するというようなことです。その撤退基準がないと、いつまでも可能性に引きずられて、傷が大きくなってしまいます。

まとめ

いかがですか。

2店舗目、3店舗目を出店する上でリスクが少ないのは、1店舗目と同じ業態で出店することですが、しかしそこには大きなチャンスもありません。ローリスク、ローリターンということです。もちろん経営者の考え方として、堅実に行きたい気持ちは理解できますが、しかし事業経営において「変化」しないことは、実は「退化」していることなのです。したがって、多少の見た目上のリスクはあっても、別業態で出店したほうが、トータルではリスクが少なく、同時に大きなチャンスを獲得できる可能性が高いのです。

ですから、以上の解説を踏まえて、次の出店は別業態で進出することをぜひ考えましょう。

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