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2018/8/17

違反すると罰則も!飲食店の開業には資格が必要?

資格・許可・届出のノウハウ教えます。

違反すると罰則も!飲食店の開業には資格が必要?

皆さんの中で飲食店を開業してみたいと考えている方はいるでしょうか。実際にお店をオープンさせるには何をしたら良いのかよく分からない方も多いと思います。飲食店を開業するには、お店があれば良いだけではありません.。開業に必要な資格や許可を取得する必要があるのです。ここでは飲食店を開業する際に必要な2つの資格と5つの許可について、取得方法や手順などを詳しくご説明していきたいと思います。資格や許可についてしっかりと学んでから店舗をオープンさせましょう。

飲食店には2つの資格と5つの許可が必要

飲食店の開業に必要な2つの資格

飲食店を開業するためには「食品衛生責任者」と「防火管理者」という2つの資格を取得する必要があります。

まず1つ目の資格である食品衛生責任者とは、衛生法規・公衆衛生・食品衛生学にまつわる資格です。食品衛生責任者は、条例において飲食店を営業する者、もしくは、そのお店の従事者は施設ごとに1名を定める必要があると決められています。食品衛生責任者は、食品衛生の管理や運営を行う役割を担っており、食品衛生上の危害の発生の防止に努めたり、製造や加工・販売が衛生的に行われているかを確認するほか、店舗従事者に向けて必要に応じ衛生教育を実施するなどの任務があります。

2つ目の資格である防火管理者は、お店の火災による被害を防ぐために、防火管理の重要性や制度などを学ぶことで防火管理に必要な業務を行う責任者のことを指します。消防法において、店舗などの建物を有している者は、その所有者や代表者など、防火管理業務を担う人物を選任しなくてはならないとされています。

飲食店の開業に必要な5つの許可

2つの資格のほかに、飲食店の開業には食品営業許可個人事業の開廃業等届出書防火管理者選任届深夜における酒類提供飲食営業開始届出書(午前0時~日の出までに酒類を提供する場合)・労災雇用社会保険の加入手続きの5つの許可をとる必要があります。

まず1つ目は「食品営業許可」です。食品営業許可とは、飲食店営業や喫茶店営業という調理業のほかにも特定の製造業・処理業・販売業において食品衛生法に基づき営業許可が必要と定められている業種において必要なものです。

2つ目の「個人事業の開廃業等届出書」とは、税務署に対して個人事業を開業したことを申告するための書類です。開業によって生じる所得税や消費税は税務署、事業規模が大きい場合にかかる個人事業税は各都道府県税事務所に納める必要があります。それらの税金を納めるために、個人事業主として開業したことを報告するために届け出書類を提出するのです。

 

防火管理者選任届」は、建物の防火管理業務を遂行する防火管理者を定めた時に届け出る必要のある書類です。「深夜における酒類提供飲食営業開始届出書」は、深夜0時を超えて営業する場合に、食品営業許可に加えて所轄警察へ出す必要があります。

労災、雇用、社会保険の加入手続き」については、従業員を雇う場合は、労働保険関係成立届・労働保険概算保険料申告書を労働基準監督署に、雇用保険適用事業所設置届・雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに届け出ないといけません。また、社会保険は、個人事業主の場合は従業員を5人以上雇う場合、法人事業所の場合は人数に関わらず加入する必要があります。加入する場合は新規適用届・被保険者資格取得届・被扶養者異動届・国民年金第3号被保険者の届出(必要があれば)を年金事務所に提出しましょう。

資格、許可の具体的な取得手順とは?

開業する際に必要!2つの資格の取得方法

食品衛生責任者と防火管理者の資格を取得する手順についてみていきましょう。

まず、食品衛生責任者の資格をとる場合は、食品衛生責任者養成講習会の申し込みをし、衛生法規・公衆衛生学・食品衛生学の講習を受講します。受講料は1万円程度となっています。講習の全課程を受講修了すると、受講修了証として食品衛生責任者手帳が交付されます。

防火管理者の資格は、店舗の延床面積が300平米以上であれば「甲種防火管理者」の2日間の講習を、300平米未満は「乙種防火管理者」として1日の講習を受講することで取得できます。防火管理者の資格を取るための受講料は5,000〜6,000円程度です。

5つの許可を取得する手順とは

次に5つの許可を取得する手順についてです。

食品営業許可は保健所から取得します。施設基準に合致しているかなど、許可の際に必要な項目について確認を行うために施設の工事着工前に図面等を持参して事前相談に行って下さい。食品営業許可を受けるには、食品衛生責任者及び食品衛生管理者を置くこと、タンク水や井戸水などをお店で使用する場合には水質検査が必要であることも覚えておきましょう。

事前相談をクリアしたら、施設完成予定日の約10日前に必要書類を保健所に提出し、施設検査の日程の打合せをします。打ち合わせで決定した日にちに、施設が申請通りか、基準を満たしているかなどの検査を保健所の検査員が行い、合致していることが確認できた場合には営業許可書交付予定日に許可書をもらうことができます。

個人事業開廃業届は国税庁のホームページからダウンロードするか、最寄りの税務署で受け取り、必要事項を記入・捺印した上で、開業してから1カ月以内に税務署に届けましょう。防火管理責任者選任届については既に防火管理者の資格を取っている場合は「防火管理者選(解)任届出書」と、「防火管理者証」を消防署に提出すれば良いです。

深夜における酒類提供飲食営業開始届出は、午前0時~日の出までに酒類を提供するお店を開業する場合に警察署に届けます。

労災、雇用、社会保険の加入手続きに関しては雇用開始後10日以内に労災保険と雇用保険に加入する届け出をすることが必要です、なお個人事業の場合は不要となります。

開業に必要な資格・許可にまつわるポイント

飲食店を開業して料理の提供を行う場合、料理を作る従業員に対し、調理師免許は必ずしも必要なわけではありません。調理師免許を持っていなくても調理をして問題ありませんが、調理師免許を取得しておくとお店のアピールにはなるというメリットはあります。なお、各種申請の手続きは行政書士に依頼できるので自分ひとりで解決しなくても大丈夫です。もし、違反した場合は各種罰則が設けられていることを覚えておきましょう。

例えば、深夜酒類提供飲食店営業開始届をせずに午前0時を過ぎて酒類を提供した場合には、50万円以下の罰金などが科せられてしまう可能性があります。きちんと申請を行い、開業するようにして下さい。

飲食店の開業に必要な資格・許可について知ろう

ここまでで、飲食店を開業する際に必要となる資格と許可について、その内容と取得方法についてご説明してきました。飲食店の開業には2つの資格と5つの許可が必要です。店舗や資金があるだけでは勝手に開業することはできないので注意しましょう。一見すると、多くの手続きが必要になり、面倒に感じるかもしれません。しかし、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つの資格については講習を受けることで取得することができ、さほど時間も手間もかからないでしょう。

5つの許可書についても、自分で処理することが難しい場合には行政書士に頼めるので、不安になることもありません。資格や許可をきちんと取得しているということは、信頼できるお店であることの証でもあります。開業する前にしっかり確認を行い、開業してから罰則を受けることのないように気を付けて下さい。多くの人でにぎわう飲食店を開業しましょう。

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